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2022年6月29日水曜日

初級ゴム技術研修受講記録まとめ


お世話になっております。中野製作所スタッフです。
2022年5月9日から6月29日にて
外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂きました。
コラム内に掲載した受講記録#1~8を以下にまとめます。









以上となります。

2ヶ月間の講義はどの講義も
ゴム技術者として貴重で重要な知識であり
体験と合わせて修得することができた研修でした。

ゴム技術者のスタートラインにやっと立てたと捉え
今後も幅広い知識・経験を得ていくよう精進いたします。

以上、宜しくお願い致します。

 

初級ゴム技術研修会 受講記録#8

    

お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#8では第二十二回目~第二十三回目の講義内容について記述いたします。


第二十二回目 6月27日受講科目:化学分析実習3回目

FT-IR(顕微鏡フーリエ変換赤外線分光光度計)、
DSC(示差走査熱量計)、
SEM-EDX(走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光装置)、
EPMA(電子線マイクロアナライザー)
を用いた機器分析について
実際の分析作業を解説いただきながら作業を見学いたしました。

これらを用いることでゴム表面に現れた物質の特定、
加硫不足の有無、
オゾンクラックの状況などを調べることができます。

試験に必要な試料は薬さじ一杯にも満たない量で測定されてました。
機械の精度が高いことはさることながら
不要分を除去し、より微細量での測定により
ピンポイントな分析を可能にしているのだと思いました。

第二十三回目 6月29日受講科目:修了式

2ヶ月にわたる講義を終え
無事修了証ならびに皆勤賞を頂戴いたしました。

最終日にはこれまで共に受講してきた仲間や
講義いただいた先生方と2ヶ月間の思い出とともに交流を深めました。
修了証を受け取ることで今後のゴム業界に挑んでいく技術者としての
スタートラインにやっと立てたという想いがわいてきました。

受講期間中は業務を調整いただいたり
会場へ向かう前には暖かく送り出していただいたりと
社内の先輩方にご協力いただきました。

また、講義いただいた先生方、
共に受講した仲間にも支えて頂いたことで
最期までやり遂げることができました。

2ヶ月間本当にありがとうございました。


シリーズで続けてまいりました受講記録も#8で終了となります。
今後はまたゴム技術者としてコラム記事を更新いたします。
本コラムを引き続きご覧いただけると幸いです。


宜しくお願い致します。

2022年6月27日月曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#7

   

お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#7では第十九回目~第二十一回目までの講義内容について記述いたします。



第十九回目 6月20日受講科目:加工試験実習3回目

前回行った密閉式混練機とオープンロールでの練りで
製品のどこに違いが出るのか確認を行いました。
また、番外編として樹脂製品の射出成型の方法を見学しました。

ムーニー粘度という原料ゴムの加工性を評価する指標では
ロールで練った方が2ポイント低い数値となりました。
一般にロールの方がせんだん力がかかるため
ムーニー粘度が下がる傾向にあるそうです。
ただ今回はロールは私が指導を受けながら練ったので、
より長い時間練ってしまったためなのかと思っています。

またカーボンブラックの分散性を比較すると
密閉式混練機とオープンロールでの差は小さかったです。
こちらも一般にはオープンロールの方が分散性が高いそうです。
初心者には難しいということが数値でも現れた気がします。


第二十回目 6月22日受講科目:化学分析実習1回目

未知のゴムがあった時、これを定性する方法を実習しました。

ゴムは種類に応じて酸にいれたり燃やしたりした際に特徴が見られます。
例えばNRは熱硝酸に分解しますがフッ素ゴムは分解しません。
また燃焼するとNRは自燃性が見られ特有の臭いがありますが
フッ素ゴムにはそれが見られません。

こういった特性を一つ一つフローチャートのように確認していくと
例え未知のゴムだとしても特定が可能なのだそうです。


第二十一回目 6月24日受講科目:化学分析実習2回目

化学分析の2回目は未知のゴムに使用されている薬剤を
調べる方法について実習しました。

ゴムに使用されている薬剤を調査するには
溶剤の抽出、抽出後残分、
ゴム、カーボン、灰分
と段階に分けて分解し、分解したそれぞれを測定していくことで
少しずつゴムの構成を突き止めるのだそうです。

機械によって得意な試料があり
順を追って手分析を行って検討をたて
詳細を複数の機械を組み合わせ調べると
知りたい情報を導けるのだと学習しました。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。

2022年6月19日日曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#6

  

お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#6では第十六回目~第十八回目までの講義内容について記述いたします。


第十六回目 6月13日受講科目:物性試験実習6回目

低温試験、耐候性試験、電気試験を複数種類のゴム種で行いました。

やはりゴム種ごとに環境の違いで出てくる数値が異なりました。
特にニトリルゴムは油での劣化は少なかったのですが
低温では硬化が進みゴムらしさが失われていました。
使用する環境に応じたゴム種の選定もしくは配合が
重要であることを学びました。

第十七回目 6月15日受講科目:加工試験実習1回目

今回より加工試験の実習が始まりました。
密閉式混練機を用いたゴムの混練り工程を見学しました。

混練作業を進めると狙いの配合量に対し少し量が減少していました。
粉状である薬剤が機械の隙間に入り込みその分減少したとのことでした。
容器に少し残った薬剤や手や機械に付着した薬剤の量なんて
微小なものだと思っていましたが、
大変繊細な作業で驚きました。

第十八回目 6月17日受講科目:加工試験実習2回目
前回より引き続きゴムの混練り工程を行いました。
今回はロール機を用いて実際に練りを行いました。

材料ははじめ硬く、練りを繰り返すことで段々と柔らかくなってきました。
二つのロールで攪拌されるベースポリマーに薬剤を少しずつ加えていきます。
少しずつ入れないと薬剤が入り込まず攪拌が出来ないまま
ロールの下へ落ちてしまいました。
無駄が発生しないためには少しずつ入れないとなりませんが
早く練り上げないとならない現場工程を考えると
大変難しい工程であることを体感しました。

また、ロールに巻き付いたゴムにナイフを入れ
縦横向きを変え再度巻き付ける「切り返し」
という作業も体験しました。
今回柔らかい天然ゴムで作業をしましたが、
切りにくい材料や量が増え重たくなると
難しくなるだろうと想像できました。
本当に職人技だなと実感しました。

以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。

2022年6月13日月曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#5

 

お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#5では第十三回目~第十五回目までの講義内容について記述いたします。


第十三回目 6月6日受講科目:物性試験実習3回目

今週は前回より引き続き物性試験を行いました。
この日は耐油試験とオゾン劣化試験、老化試験の測定を実施しました。

ゴム種ごとに油やオゾン、熱老化といった環境の違いで劣化の仕方が異なり、
劣化したサンプルで硬度や引張試験を行うとその違いが顕著に現れました。
今回行った試験は環境促進試験でしたが、
これがお客様の使用環境下でも徐々に劣化が起きていると考えると
現象を理解することは大変重要であると思いました。

第十四回目 6月8日受講科目:物性試験実習4回目

十三回目から更に二日間環境負荷を追加した際の物性評価と
圧縮永久ひずみ試験を行いました。

より劣化が促進されたゴム
劣化状態が前回同等のゴム
劣化しないゴム
今回初めて劣化状態が確認されたゴム

以上のパターンが見られました。
これまで問題なかったのにある閾値を超えた瞬間
急激に劣化が見られるといった現象も
ゴムでは起こりうるのだと学びました。

第十五回目 6月10日受講科目:物性試験実習5回目
今回は反発弾性試験、摩耗試験、屈曲試験を行いました。

摩耗試験に関して、ウイリアムス摩耗やアクロン摩耗、DIN摩耗試験といった
様々な種類の摩耗試験機を見せて頂きました。

それぞれの削れ量やゴムへの負荷の入り方が全く異なり、
ただ摩耗を見たいだけでなく、現象や目的にあった試験方法の選定が
必要であると体感しました。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。

2022年6月5日日曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#4


お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#4では第十回目~第十二回目までの講義内容について記述いたします。


第十回目 5月30日受講科目:ゴム・プラスチックの劣化と事故原因調査手法

ゴムの使用環境における劣化因子と、その原因調査方法や機材について
事例を用いながら解説頂きました。

事例はNBRを用いたOリングの裂けについて解説頂きました。
特定した真因は加硫不足によりOリングの強度が不足、
破損につながったという内容でした。
多方面の解析と仮定に対し結果を検証することを繰り返すことが
確実な検証につながるということを学びました。


第十一回目 6月1日受講科目:物性試験実習1回目

今回から少人数班で実際にゴムを体感し学ぶ実習が始まりました。
十一回目では次回以降使用のサンプルを各種材料ゴムの板材から
試験用形状に抜く作業と硬度や厚みの測定を行いました。

試験用形状は対象となるJIS試験の目的に合わせ規格が決まっており
ダンベル形状だけでも大小さまざま、
他にもアングル形といった形状もありました。

ゴムの厚み測定をする際、中央値を代表値とすることを学びました。
中央値は測定した値を大小で並べたとき真ん中となる数字で
ゴムの場合、変形等によるばらつき(外れ値)を除外するために
平均値を取るのでなく、中央値をとる方がデータ精度が上がるのだそうです。
今後社内データをまとめる際も中央値をとるのか平均値をとるのか
考えて進めたいと思います。

第十二回目 6月3日受講科目:物性試験実習2回目
十一回目で用意した試験サンプルを用い、引張・引裂き試験、
油とオゾンの劣化促進試験機投入を行いました。
油とオゾンの確認は十三回目に行います。

NRやEPDM等複数材料で引張・引裂き試験を実施したのですが
多少の誤差はあっても材料毎に同じ傾向が見られることがわかりました。
(シリコーンは引裂きが早く見られる等)
材料の選定を誤ると物性に大きな差が生じ製品へ多大な影響を及ぼすことを
見て体感することができました。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。

2022年5月29日日曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#3


 お世話になっております。中野製作所スタッフです。
5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を
受講させて頂いております。
本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。
#3では第七回目~第九回目までの講義内容について記述いたします。

 

第七回目 5月23日受講科目:ゴムの基本特性(ゴム弾性など)

ゴムの基本特性にあるゴム弾性をつくるメカニズムについて
ポリマーの動きや架橋現象、ガラス転移温度の
解説を交えながら紹介いただきました。

ゴムは分子単位で鎖で結びつくことで液体であった原料ゴムを
固体のようにつなぎとめているということを理解しました。
またその弾性を有するためにはガラス転移温度が
室温より十分低い必要があるのだと理解しました。

第八回目 5月25日受講科目:ゴム試験法(JIS物性試験、JIS外試験)
ゴムの硬さや引張、老化、浸せきなどについて、
またJIS規定外の物性を測定する方法を紹介いただきました。

JIS規格内の試験を行うことで
数多の他製品と同条件で測定する方法を学びました。
そのためJIS規格は品質管理向きが多く、
実用性評価用には手法のアレンジが必要であることを学びました。
(例えば動的粘弾性試験機等を用いて温度依存性の比較する等)

試験を行う際は目的からぶれないように
事前の計画を重視して行うべきだと感じました。

第九回目 5月27日受講科目:ゴム試験法(化学分析試験、異物解析)
ゴムの組成を分析する方法と機材、
ならびに異物混入時に異物が何か調査する方法を紹介いただきました。

ゴムの化学分析は、ゴム製造に使用された溶剤や加硫促進剤の抽出、
抽出残さなどからポリマーや補強剤の確認を進めます。
抽出した試料をもとにデータバンク内の数値と
照らし合わせる流れなのだそうです。

異物解析も同様でサンプリングした試料を用いて
スペクトルグラフから異物内の成分を確認し
判定するということが分かりました。

講師の方曰く、異物解析の7割は目視確認で決まり、
解析の方向性に影響するとのことでした。
そのことから普段の製品と異物混入時の製品と違いを
判断できることが問題発生時に早期解決への近道だと感じました。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。

2022年5月22日日曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#2

お世話になっております。中野製作所スタッフです。


5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を

受講させて頂いております。


本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。

#2では第四回目~第六回目までの講義内容について記述いたします。


第四回目 5月16日受講科目:ゴム配合設計(配合設計のたて方)

第二回・第三回の講義内容を踏まえ、
実業務における目的や用途に応じた
ゴム材料の配合設計のたて方について講義いただきました。

配合剤の組み合わせた際、
組み合わせによって特性の現れ方に違い(例:時間変化曲線等)がある
ということが分かりました。
また、その組み合わせ次第で別の特性にも影響を及ぼすため
配合次第でゴムの良さを引き出すことが出来るということを理解しました。

第五回目 5月18日受講科目:金属とゴムの接着(直接接着)

ゴムの接着で多い金属との接着を自動車用タイヤの事例から講義いただきました。

自動車用タイヤはゴム内部にスチール部材が層となっており
ゴムとの接着はスチール部材の真鍮メッキとゴム内の硫黄を反応させ接着します。
講義ではそのメカニズムとこれまでの研究についてお話頂きました。

どの分野においても異素材の接着は長年の研究と試行錯誤を繰り返し
現在の知見に繋がっているということを学習しました。
まだまだ解析しきれていない点も多いとのことで
最新の情報を収集し業務へ役立てられるようにしていきたいです。


第六回目 5月20日受講科目:ゴムの成形加工

ゴムの練り工程で行われる作業について講義いただきました。

私は実は直接練り工程に携わったことがなく、
書籍や口頭でのイメージでしか触れてきませんでした。
今回の講義で少しでも知識を増やせたので
来月の実習でその知識の確認を行いたいと思います。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。


2022年5月15日日曜日

初級ゴム技術研修会 受講記録#1

 お世話になっております。中野製作所スタッフです。


5月9日から6月29日より外部機関主催の初級ゴム技術研修会を

受講させて頂くこととなりました。


本コラムにて受講記録を掲載させていただきます。

#1では第一回目~第三回目までの講義内容について記述いたします。


第一回目 5月9日受講科目:原料ゴム

複数の原子が分子鎖を形成する高分子の特徴について

また、天然ゴムを代表する原料ゴムの特徴について講義いただきました。


各原料ゴムの違いが構造式のどこの影響を受けて発生しているか

ゴム構造式の解説からゴム配合の難しさを理論的に理解できました。


第二回目 5月11日受講科目:配合剤(補強剤、充填剤)

ゴムの代表的な配合剤であるカーボンブラックならびに

シリカについて講義いただきました。


配合剤であるカーボンブラックやシリカも

工業製品としての製品毎の違いや成分のばらつきが存在し

配合後の特性に違いが出ることを理解しました。

混練り時間により電気抵抗が上がるという点より

配合の難しさを感じました。

これは練りが長くなるにつれカーボンの分散が進むため発生するとのことでした。


第三回目 5月13日受講科目:配合剤(有機薬品、その他)

様々な機能を付与するため配合に追加する薬剤について講義いただきました。

加硫を促進するもの、加硫を遅くし焼けを防ぐもの、
様々な特性を付与するもの、
とりあえず配合すれば理論値通りの数値が出るわけでなく
組み合わせによって効果が変動、
狙いの効果以外に背反も考えなければならないという点に
配合の難しさと、各社のノウハウがそこに生まれるのだと感じました。


以上、引き続き講義は継続いたします。
また次回も記録を記述したいと思います。

宜しくお願い致します。